私が甘かった・・・「マリア・カラスの真実」

マリア・カラス

映画…正確に言うとドキュメンタリー映画マリア・カラスの真実」見てきた。92席しかないミニシアター劇場、上映間もないせいもあってか客席はほぼ満杯に近い。そして私と同じイタオペが好きそうな(私の思い込みか?)中高年のばかり。

マリア・カラスという稀代の名プリマが生きた時代のオペラ界こそゴールデン・エイジだと思っている私。どんなオペラの舞台を見せてくれるだろうと期待していった。が、私の見込み違い、確かにカラスの真実だから彼女の波乱の生涯を映し出しているので間違えはない。しかし「貴重な舞台映像とともに…」なんて書いてあるんだもの、オペラの舞台でのカラスを数々を掻い摘んで見せてくれると思ったら、写真だけ。当時の映像はないそうだ。「トスカ」はあったがあれは私もテレビで見たから知っている。
トロヴァトーレを歌っていてもあれはガラコンサート、ノルマ、清教徒、など若干見れたが、あれっきりじゃね〜。何しろ消化不良。ジュリアードでの公開レッスン風景も興味があったのに写真だけ(ただ、カラスが「私は野獣のように歌うのが得意技」って生徒に言ってたのは納得。マクベス夫人やカルメンシータは素敵だもの)。

ビスコンティパゾリーニ、師ヒダルコ、多くの著名人とのインタビューや賛辞、「カラスの前にも後にも第2のカラスはいない」って書いてあったけど、それは確かだ。あれだけ必ず引き合いに出される歌手はいないと思う。しかし優れた歌手でもあり、女優でもある…ってこれはどうかしら?映画「王女メディア」でその女優としてのカラスを若い頃見たが、舞台でのカラスのあのオーラは感じられず凡庸だった記憶がある。

100キロ以上の体重をダイエットして見違えるように美しくなった…しかし本当にモデル張りに服を決めていて素敵だ…、最初の夫、海運王、ジャックリーン、舞台ドタキャン、声が出なくなって云々…そんなのは作り物の映画でもしってるよ〜。

まぁ、私のようにオペラの中のカラスを見たかったというのが、そもそも間違いなんだろうけど…。