泣けました、「牛の鈴音」


今年初めての映画。
本当はグラッパ様推奨の「誰がため」を見に行こうと予定してたら時間を間違えて上映時間間に合わず、同じ映画館で上映していたやはり見たかった韓国ドキュメンタリー映画「牛の鈴音」を見た。ドキュメンタリーといっても小難しい内容なんかでない。
出てくるのは79歳のじっさまに76歳のばっさま農夫婦と40年も生きてその夫婦とともに30年間働いてきた二人同様老いた牛さんだ。
牛の草のためにかたくなに農薬や機械を拒み続け牛とともにぼろぼろの老体をそれこそ鞭打って死ぬまで働かなければならん、休むのは死んでからだと医者から止められても働き続ける…、というより牛との共有した人生を全うしたいじっさま(この作品の原題old partnerとハングル語の下に書いてあった)、でもそんなじっさまをばっさまはこのおいぼれ牛が生きている限り私らは楽にならないといつも毒づく。しかしこのばっさまも憎めない愛すべき人物。
時間が止まってるような流れ。お盆に子供や孫たちがきたときだけ現実に戻されたような慌ただしさを感じるが、しかしじっさまは相変わらずのテンポ、これがいい。絶えず、牛に付けた鈴の音がじっさまと牛の気持の交流に聞こえる。
ウルウルする映画は多いが照れ症の私、涙を流すまではいかないようにいつもぐっと我慢しているが、この作品では不覚にも(汗)ツル〜出てきてしまった。
作りものでない、飾りものでない、こけおどしもない、素朴さだけ…、だから泣かされた。