ジュゼッペ・ディ・ステファノ

ジュゼッペ・ディ・ステファノ

イタリアオペラ黄金時代の名テノールが3日に亡くなった。
新聞によると86歳、以前強盗に襲われ負傷して容体が回復しなかったとのこと。
デル・モナコフランココレッリのようなドラマティックなテノールではないが、「椿姫」のアルフレードのような甘いテノール役が似合う。
大好きなアントニエッタ・ステッラとの共演でトゥリオ・セラフィン指揮の1955年の「椿姫」の二人は好きだ。若きステッラのヴィオレッタは…元はマリア・カラスが録音するはずだったがセラフィンとトラブって降りたらしい…「花から花へ」のパッセージはレッジーロソプラノの華やかさに欠けるものの、悲劇のヒロインを見事セラフィンの要求にこたえて泣かせてくれる。ディ・ステファノアルフレードも世間知らずで純な性格を良く出している。

ディ・ステファノはそのマリア・カラスと多く共演している。カラスの最後の舞台となった世界ツァーの日本公演のときももう完全に衰えていたカラスを支えるように歌っていたのを覚えている。
又黄金時代が消えていった。