映画「シークレット・サンシャイン」

この監督の作品なら見てみたいなと思う一人、イ・チャンドン監督の最新作。主演のチョン・ドヨン、まぁこの女優はさ迷える心の持ち主を演じたら天下一品･･･何でもこの作品でカンヌ映画祭で主演女優賞を獲得したとか！、又相手役はがんもどきかジャガイモかって感じのこれまた私のお気に入り名優ソン・ガンホ･･･この３人なら見ないわけに行かない。
ラヴストーリーとのことだが、もちろんあま〜いロマンスじゃない。亡くなった夫のふるさと、密陽（ミリャン）という町に子供と引っ越してきたヒロインのさ迷える、救われない心を描いた作品だ。このシ−クレット・サンシャインというタイトル･･･？と思っていたが、この町の名をとっているのだ。秘密の日差し･･･。へ〜、にくいね。
再出発のために夫の故郷に来た（そのなぜ来たかは一切ふれてない）のに子供が誘拐され殺されてしまう･･地獄に突き落とされたヒロインが宗教（監督はシニカルに描いている）に救いと許しを求めるが、裏切られ絶望の淵に･･･。しかし密やかな日差しはヒロインに相手にしてもらえないソン・ガンホ演ずる相手役のぶきっちょな愛･･･。彼女の心が再生するかどうかまでは描かれてなく終わるのが又にくいところだ。後はそれぞれの視点でどうぞ･･って終わり方。
秀作でした。なんといっても子供を殺した犯人に面会する場面が圧巻だ。救われたかに思えた彼女のこころは一気に絶望の底に･･･。そして天をにらむように見上げるシーンが印象的だ。