母の死とリサイタル

一ヶ月以上ブログを休載した。理由は?リサイタルが控えてるので忙しいため…ではない。
母が8月25日に亡くなった。88歳と9ヶ月。その6日後には29回の教室の勉強会が控えていた。レッスンも詰まっていた。しかし、通夜と告別式葬儀で2日は休む。でもレッスン時間を無理にやりくりさせてもらい生徒さんたちにきてもらって無事に母の葬儀も勉強会も終えることが出来た。その一週間の毎日変わる私の顔・・・。まさに怒濤の一週間であった。母の死を悲しむ時間さえ与えてくれなかった。でもそれが幸いした。自分を見失う時間を与えなかったから。母は私が悲しみのあまり音楽をないがしろにするなんて決して喜ばない人だったから。それだけ私や、妹に文化面をたくさん与えてくれた。「十戒」この映画を字幕の漢字さえましてや英語もわからない小学低学年の私を連れて行ってカルチャーショックを与えた。イタリアオペラが来日するといろいろな歌手たちの話を聞かせてくれ…しかし当時の私はラジオから聞こえてくるオペラのよさなんかちっともわかってなかったと思う、「十戒」の時のショックには及ばなかったもの・・日本でブレイクすると世界に通用する歌手になるのよ(無名のソプラノG・トゥッチがデル・モナコとの共演「オテッロ」で大ブレイクしてから世界に羽ばたいた話とか)とよく話してくれた。


そしてそんな不安定な心の中でのリサイタルの準備、時にパワーを感じ時に虚無感に襲われの入り混じった日々、自分を失いそうになるのを食い止められたのは生徒の皆さんとのレッスンでの交流だ。それぞれの方の歌に対する真摯な気持ち、それに大いに助けていただいた。
いつもとは違った状況で迎えたリサイタル「名歌シリーズ」来て下さった方々に楽しさをお届けすることが出来たようだ。
これを又新しい切り替えに出来そう。又映画も見始めよう。母が教えてくれた一つの私の楽しみだもの。