映画「ミルク」

今年のアカデミー主演男優賞に輝いたショーン・ペンの「ミルク」を見た。
70年代に自らホモセクシャルであることを公表して政治家になったハーヴィー・ミルクの40歳からなくなるまでを描いたガス・ヴァン・サントの作品。
政治家を志したのは無論社会的弱者マイノリティである同性愛者への偏見と戦うためである。いまでこそカミングアウトがしやすい環境にはなったが、まだまだ人種、障害者、高齢者等…偏見の嵐は決して凪ぐことはないだろう。優越感がある限り、差別はなくならないだろう。
このような戦いには猛烈なる誹謗、中傷が付きまとう。自由の国と掲げているアメリカにはその裏腹な思想もしっかり根付いている。
人々の同性愛に対する嫌悪感むき出しのこの時代、ミルクは4度目にしてようやく当選するが、一年も満たないで凶弾に倒れてしまう。

ショーン・ペンの繊細な演技が光る。ちょっとしたゲイのしぐさを自然に醸し出す。そして演説の時の政治家の顔も見事に演じ分けている。
秀作だ、が結局40歳から8年間のミルクの当選するまでの人生描いていて、その過程の中でいろいろな「恋人」との出会いと別れも織り交ぜてはいるが、それほどドラマティックな展開はないのでやや長さを感じた。

何年か前に見たやはり同性愛を扱った「ブロークバック・マウンテン」これも秀作だった。
こういう種の作品も嫌いじゃないんだわ〜。